(2025年6月2日更新)
<h1>ふるさと納税のワンストップ特例制度とは?申請方法や確定申告との違いを解説</h1>
<h2>ふるさと納税のワンストップ特例制度とは?確定申告なしで税金控除を受けられる制度</h2>

引用:ふるさと本舗
ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」とは、確定申告なしで税金控除を受けられる制度のことです。
ふるさと納税では、任意で選択した自治体に寄附を行うことで、地域の返礼品を受け取ることができ、さらに税金控除が受けられます。
寄附金額のうち2,000円を超える部分が、所得税と住民税から還付・控除される仕組みです。
ふるさと納税を行なって税金控除を受けるためには「確定申告」もしくは「ワンストップ特例制度」の手続きを行う必要があります。
ワンストップ特例制度を利用すれば、必要書類を各自治体に書類を郵送するだけで税金控除を受けることが可能です。
<h2>ふるさと納税のワンストップ特例制度の申請条件は3つ</h2>
ふるさと納税のワンストップ特例制度は、誰でも利用できるわけではありません。
ワンストップ特例制度を利用できるのは、以下3つの条件をすべて満たしている人のみです。
-
もともと確定申告をする必要がない給与所得者
-
1年間に寄附した自治体数が5自治体以内
-
寄附のたびに自治体へ申請書を郵送している
ひとつずつ詳しく解説するため、自分がワンストップ特例制度の対象となるか確認してみてください。
<h3>もともと確定申告をする必要がない給与所得者</h3>
ワンストップ特例制度を利用できるのは、もともと確定申告をする必要がない給与所得者です。
例えば、個人事業主や不動産収入を得ている人は、ふるさと納税を行ったかにかかわらず、必ず確定申告を行わなければなりません。
そのため、ふるさと納税の控除手続きも、確定申告を通して行います。
以下に、確定申告が必要な人の特徴をまとめました。
確定申告が必要な人
-
個人事業主
-
不動産収入がある人
-
年間の給与所得が2,000万円を超えている人
-
給与以外の副収入が20万円以上ある人
-
一定額の給与所得が2つ以上の会社からある人
-
医療費控除や住宅ローン控除を受ける人
上記のいずれかに該当する人は、給与所得者であっても確定申告を行う必要があります。
<h3>1年間に寄附した自治体数が5自治体以内</h3>
ワンストップ特例制度を利用するためには、1年間に寄附した自治体数が5自治体以内であることも条件です。
1月1日から12月31日までに6自治体以上に寄附を行なっている場合は、給与所得者であっても確定申告をしなければなりません。
給与所得者がふるさと納税を行う場合は、手続きの手間を増やさないためにも、寄附する自治体を5自治体以内に抑えることを推奨します。
<h3>寄附のたびに自治体へ申請書を郵送している</h3>
ワンストップ特例制度を利用するためには、寄附先の各自治体に申請書を郵送する必要があります。
ふるさと納税で寄附を行うと、自治体からワンストップ特例申請書が送付されてきます。
申請書が届いたら、氏名・住所・寄附金額・振込先口座などの必要情報を記載し、自治体へ返送します。
申請書は後々まとめて各自治体へ返送することも可能ですが、申請忘れを防ぐためにも、届いた時点ですぐに返送することが重要です。
<h2>ふるさと納税のワンストップ特例制度の申請方法</h2>
ふるさと納税のワンストップ特例制度の申請方法は以下のとおりです。
ひとつずつ詳しく解説します。
<h3>手順1:ワンストップ特例制度の申請用紙と本人確認書類を揃える</h3>
まずは、ワンストップ特例制度を利用するために必要な書類を揃えます。
ワンストップ特例制度の申請に必要な書類は以下の2点です。
「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」とは、寄附した自治体から送付される、ワンストップ特例制度の申請書類です。
本人確認書類は、マイナンバーカード・運転免許証・パスポート・健康保険証などを提出します。
本人確認書類の提出方法
-
マイナンバーカード(表・裏)
-
マイナンバーの通知カード+運転免許証
-
マイナンバーの通知カード+パスポートまたは運転免許証のいずれか1点
-
住民票の写し(マイナンバー有)+パスポートまたは運転免許証のいずれか1点
-
マイナンバーの通知カード+健康保険証・年金手帳・自治体が認める公的書類のいずれか2点
-
住民票の写し(マイナンバー有)+健康保険証・年金手帳・自治体が認める公的書類のいずれか2点
※本人確認書類は必ずコピーを提出するようにしてください。
マイナンバー通知カード・住民票の写し(マイナンバー有)を提出する場合は、運転免許証・パスポート・健康保険証・年金手帳・自治体が認める公的書類などと組み合わせて提出する必要があります。
<h3>手順2:特例申請書に必要事項を記入する</h3>
必要書類を揃えたら、寄附金税額控除に係る申告特例申請書に必要事項を記入します。
記入する内容は以下のとおりです。
-
書類提出日と寄附した自治体の首長
-
住民票のある(住民税納付先)住所
-
個人番号(マイナンバー)
-
寄附した年月日と寄附金額
記入漏れがないように必ず確認して記入してください。
<h3>手順3:申請期限までに自治体へ郵送する</h3>
申請書および必要書類を揃えたら、寄附した自治体へ郵送します。
郵送先の住所は各自治体へ確認してください。
書類の郵送期限(申請期限)は、寄附した翌年の1月10日まで(必着)です。
年末にまとめて郵送しようとすると申請期限に間に合わなくなる可能性もあるため、準備ができたら随時申請を行うことを推奨します。
<h2>ふるさと納税のワンストップ特例制度のメリット</h2>
ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用するメリットは以下のとおりです。
-
確定申告の手間なしで税金控除を受けられる
-
手続きが簡単
ひとつずつ詳しく解説します。
<h3>確定申告の手間なしで税金控除を受けられる</h3>
ふるさと納税のワンストップ特例制度の大きなメリットは、確定申告をする手間が省けることです。
確定申告とは、1年間の所得に対する納税額を計算し、申告・納税を行う手続きのことです。
ふるさと納税をして確定申告をするためには、寄附金額の合計金額を計算し、確定申告書を作成する手間がかかります。
一方で、ワンストップ特例制度を利用すれば、申請書を各自治体へ郵送するだけで税金控除を受けられます。
給与所得者は普段確定申告を行わないため、慣れない手続きに負担を感じる可能性が多いです。
面倒な手間を避けたい場合は、ワンストップ特例制度を利用することを推奨します。
<h3>手続きが簡単</h3>
前述したとおり、ワンストップ特例制度は寄附した自治体へ申請書を郵送するだけで税金控除を受けられます。
申請書に必要事項を記入する必要はありますが、確定申告と比べて手続きがとても簡単です。
特に、初めてふるさと納税を行う人は、確定申告が必要となると負担に感じることもあるかと思います。
ワンストップ特例制度を利用すれば、初めてふるさと納税を行う人も、手軽に税金控除を受けることが可能です。
<h2>ふるさと納税のワンストップ特例制度の注意点</h2>
ふるさと納税のワンストップ特例制度には多くのメリットがありますが、いくつか注意点もあります。
注意点を事前に把握していないと、申請が無効となってしまったり税金控除を受けられなかったりする可能性があります。
正しくワンストップ特例制度の手続きを行うためにも、注意点を確認してください。
<h3>申請書と必要書類は各自治体へ郵送する必要がある</h3>
ワンストップ特例制度を利用するためには、寄附した各自治体に申請書と必要書類を郵送する必要があります。
自治体ごとに送付する書類が異なるため、正しく提出することが重要です。
1自治体でも申請を忘れてしまうと確定申告をしなければならないため、注意が必要です。
申請を忘れないためにも、申請書が届いたらできるだけ早く返送するようにしてください。
<h3>ワンストップ特例制度では医療費控除を受けられない</h3>
ワンストップ特例制度を利用すると、医療費控除などの他の税控除を同時に受けることができません。
つまり、医療費控除を受けたい場合は、ワンストップ特例制度ではなく確定申告を行う必要があります。
ふるさと納税を利用しつつ医療費控除を受けたい場合は、確定申告を行うようにしてください。
<h3>確定申告を行うとワンストップ特例制度は無効となる</h3>
ワンストップ特例制度は、確定申告をしないことが前提です。
そのため、確定申告を行うとワンストップ特例制度が無効となり、寄附金控除を受けるためには確定申告を行わなければなりません。
確定申告を行うためには、各自治体が発行する「寄附金受領証明書」が必要となります。

引用:ふるさと本舗
寄附金受領証明書は、各自治体に依頼することで発行してもらうことが可能です。
ちなみに、ワンストップ特例制度の申請を行なった後で確定申告に切り替える場合、申請書の取り消しなどの連絡を行う必要はありません。
確定申告が必要となった場合は、すぐに各自治体へ連絡し、寄附金受領証明書を発行してもらうようにしてください。
<h3>申請内容に変更があった場合は各自治体へ申請事項変更届出書を提出する必要がある</h3>
ワンストップ特例制度の申請を行なった後に名字や住所が変更になった場合は、「申請事項変更届出書」を提出する必要があります。
複数の自治体に寄附を行った場合は、すべての自治体への書類提出が必要です。
変更があったのにもかかわらず、申請事項変更届出書を提出せずにいると、税金控除が適用されない可能性があります。
<h3>ワンストップ特例制度は所得税の還付を受けられない</h3>
ワンストップ特例制度では、ふるさと納税による寄附金控除を住民税に反映させることができますが、所得税の還付を受けることはできません。
所得税の還付を希望する場合は、確定申告を行う必要があります。
ワンストップ特例制度は住民税の軽減を主な目的としているため、所得税の還付を受けたい場合には、確定申告で対応しましょう。
ただし、確定申告の方がお得というわけではありません。
確定申告を行った場合は、寄附金額のうち2,000円以上の部分が、所得税と住民税から全額控除されます。
一方で、ワンストップ特例制度では、住民税から2,000円以上の部分が全額控除されるという仕組みです。
控除される金額には違いがないため、できるだけ手続きの手間を減らすためにも、ワンストップ特例制度を活用するのがおすすめです。
<h2>ふるさと納税のワンストップ特例制度に関するよくある質問</h2>
最後にふるさと納税のワンストップ特例制度に関するよくある質問を紹介します。
-
1年間の寄附自治体数が6自治体を超えた場合は1自治体分のみ確定申告すれば良いですか?
-
ワンストップ特例制度と確定申告はどちらの方がお得ですか?
-
ワンストップ特例制度の控除が適用されたか確認する方法はありますか?
<h3>1年間の寄附自治体数が6自治体を超えた場合は1自治体分のみ確定申告すれば良いですか?</h3>
1年間の寄附自治体が6自治体を超えた場合は、すべての寄附分を確定申告する必要があります。
すでにワンストップ特例制度を申請している状態でも、寄附数が6自治体を超えた時点で確定申告に切り替えるようにしてください。
確定申告に切り替えた場合に、ワンストップ特例制度を申請した自治体への連絡などは必要ありません。
<h3>ワンストップ特例制度と確定申告はどちらの方がお得ですか?</h3>
ワンストップ特例制度と確定申告は、どちらも税金控除される金額は同じです。
そのため、どちらの方がお得ということはありません。
ワンストップ特例制度は、寄附金額のうち2,000円を超える部分が、翌年の住民税から全額控除されます。
一方で、確定申告を行った場合は、所得税・住民税から還付・控除が行われるのが特徴です。
還付・控除される金額はどちらの手続きを行なっても変わらないため、手続きの手間を増やさないためにも、ワンストップ特例制度を活用するのがおすすめです。
なお、控除上限額以上の寄附を行った場合は、どちらの制度を利用しても、上限額以上の控除が適用されることはありません。
上限額を超えて寄附してしまうと、自己負担額が増えてしまうため注意が必要です。
<h3>ワンストップ特例制度の控除が適用されたか確認する方法はありますか?</h3>
ワンストップ特例制度の控除が適用されたかどうかは、寄附した翌年に届く「住民税決定通知書」で確認できます。
住民税決定通知書の「摘要」という欄に、寄附した合計額から2,000円を引いた金額が書かれていれば、正しく控除された状態です。
住民税決定通知書は毎年5月〜6月頃に届くため、書類を受け取ったら控除が適用されているかどうか確認するようにしてください。