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ふるさと納税 株


ふるさと納税 株
(2025年6月2日更新)

<h1>株式譲渡益はふるさと納税の控除上限額に影響する!申告方法や注意点を解説</h1>


<h2>株式譲渡益はふるさと納税の控除上限額に影響する</h2>

株式譲渡益がある場合、ふるさと納税の控除上限額に影響が出る可能性があります。


本記事では、株の売却益がある方に向けて、ふるさと納税にどのような影響が出るのか詳しく解説します。


<h3>そもそも株式譲渡益とは?</h3>

まず、株式譲渡益とは、株を売ったときの利益のことをいいます。株を買った値段より高く売ると、その差額が利益になります。


株式譲渡益の例

購入価格:100万円

売却価格:150万円

利益(譲渡益):50万円


株式譲渡益は「申告分離課税」の対象となり、1年間の譲渡益に対して20%(所得税20%・住民税5%)の税率が適用されます。


利益が50万円ある場合は、約10万円の税金を支払う必要があるということです。


<h3>ふるさと納税とは?</h3>

引用:ふるさと本舗


ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に、寄附できる制度です。寄附した自治体からはお礼として、地域の特産物などの返礼品を受け取ることができます。


さらに、寄附した金額のうち2,000円を超える部分が、所得税や住民税から還付・控除されるため、お得な制度として注目されています。


ふるさと納税の税金控除額には上限額が設けられており、上限を超えて寄附した場合は自己負担額が増えてしまうため注意が必要です。


この税金控除上限額は、寄附を行う年の所得によって決まります。所得が多いほど控除上限額が高く、所得が少ないほど上限額が低くなる仕組みです。


<h3>株やFXで利益を得るとふるさと納税の控除上限額が増える</h3>

株式譲渡益を得ていると、ふるさと納税の控除上限額が高くなる可能性があります。


前述したとおり、ふるさと納税の控除上限額は、寄附する年の所得金額によって決まります。株やFXで得た利益は「所得」に含まれるため、ふるさと納税の控除上限額も高くなるという仕組みです。


株式譲渡益がある人と、そうでない人の控除上限額の差を、ふるさと本舗のシミュレーションツールを使用して算出してみました。


<h4>株式譲渡益がある場合</h4>

シミュレーション条件

・給与収入:300万円

・株式譲渡益:20万円

・配偶者や扶養家族の有無:無

・社会保険:3万円

・ふるさと納税上限額:40,518円


<h4>株式譲渡益がない場合</h4>

シミュレーション条件

・給与収入:300万円

・株式譲渡益:0円

・配偶者や扶養家族の有無:無

・社会保険:3万円

・ふるさと納税上限額:38,162円


年収300万円の独身の人の場合、株式譲渡益がない場合の控除上限額は38,162円です。一方で、株式譲渡益が20万円ある場合は、控除上限額が40,518円まで引き上がります。


上記の数値はあくまでも目安ではありますが、株式譲渡益がある場合の方が、ふるさと納税の控除上限額が高くなることがわかります。


<h3>株やFXでの損失は控除上限額に影響しない</h3>

株やFXの利益はふるさと納税の控除上限額に影響しますが、損失によって限度額が下がることはありません


株やFXで出た損失は「損益通算」によって他の所得と相殺できます。例えば、給与所得が300万円あり、株やFXで20万円の損失がでた場合、損益通算により給与所得から損失分が差し引かれます。その結果、課税対象の所得が減少します。


  • 給与所得:300万円

  • 株での損失:20万円

  • 課税所得:280万円


しかし、損益通算の結果は「総所得金額」には反映されません。総合所得とは、給与所得・譲渡所得・不動産所得など、1年間に得た所得を全て合わせた金額のことです。


300万円ある人が株やFXで20万円の損失を出してしまったとしても、総合所得金額は300万円のままのため、ふるさと納税の控除上限額には影響が出ることはありません。


株やFXがふるさと納税の控除上限額に影響を与えるのは、利益が発生した場合のみということです。


<h2>ふるさと納税の申告方法は2種類</h2>

ふるさと納税を行って税金控除を受けるためには、「ワンストップ特例制度」もしくは「確定申告」の手続きを行う必要があります。これらの手続きを行わなければ、税金控除を受けられません。


ワンストップ特例制度や確定申告の手続きは、株式譲渡益の有無にかかわらず、ふるさと納税をした場合は必ず行う必要があります。


ここでは、ワンストップ特例制度と確定申告の対象者や手続き方法を解説します。


<h3>ワンストップ特例制度</h3>

引用:ふるさと本舗


ワンストップ特例制度とは、寄附した自治体に必要書類を郵送するだけで税金控除を受けられる便利な制度です。1社のみから給与を受け取っている給与所得者が利用できます。


ワンストップ特例制度の利用条件

  • 1社のみから給与を受け取っている

  • ふるさと納税の寄附先が5団体以内


ワンストップ特例制度は、申請用紙と本人確認書類を「寄附した翌年の1月10日まで(必着)」に各自治体へ郵送することで手続きが完了します。


ワンストップ特例制度を利用すれば、確定申告書を作成するなどの手間が省け、手軽にふるさと納税の税金控除を受けることが可能です。


<h3>確定申告</h3>

引用:ふるさと本舗


ワンストップ特例制度を利用できない人は、確定申告を行う必要があります。


確定申告が必要な人

  • 個人事業主

  • 不動産収入がある人

  • 年間の給与所得が2,000万円を超えている人

  • 給与以外の副収入が20万円以上ある人

  • 一定額の給与所得が2つ以上の会社からある人

  • 医療費控除や住宅ローン控除を受ける人

  • 1年間で6自治体以上にふるさと納税をしている人

  • ふるさと納税ワンストップ特例制度の申請が間に合わなかった人

  • 寄附したうち1自治体でもワンストップ特例制度を申請できなかった人


確定申告を行う場合は「寄附した翌年の2月16日から3月15日まで」に、確定申告書を作成して税務署に提出する必要があります。


株やFXで利益を得ている場合は、所得が上がったことを証明するために確定申告を行わなければなりません。


給与以外に株式譲渡益がある場合は、ワンストップ特例制度ではなく確定申告を行いましょう。


<h2>株式譲渡益がある場合のふるさと納税の申告方法</h2>

株式譲渡益がある場合のふるさと納税の申告方法は、所有している口座や投資方法によって異なります。


株式譲渡益の受取口座には「一般口座」「源泉徴収なしの特定口座」「源泉徴収ありの特定口座」があります。


まずは自身の口座の種類を確かめて、どのような手続きを行ったら良いのか確認しましょう。


<h3>一般口座・源泉徴収なしの特定口座:確定申告が必要</h3>

一般口座や源泉徴収なしの特定口座を利用している場合は、確定申告を行う必要があります。


一般口座を利用している場合は、株取引の詳細が証券会社で集計されません。そのため、利益や損失は、投資家自身が計算して申告・納税する必要があります。


源泉徴収なしの特定口座を利用している場合も、利益に対する税金が自動的に徴収されないため、確定申告を通じて納税を行わなければなりません。


また、株式譲渡益が20万円以下の場合は本来なら確定申告は不要です。しかし申告不要なのは「所得税」に対してのみのため、住民税の申告は別途申告しなければなりません。


住民税の申告を行う場合はワンストップ特例制度の適用条件からは外れてしまうため、いずれにせよ確定申告を行わなければなりません。


例えば、給与所得者で株式譲渡益が20万円以下の場合も、住民税の申告を行うことでワンストップ特例制度の対象ではなくなるため、確定申告を行う必要があります。


<h3>源泉徴収ありの特定口座:確定申告は不要</h3>

源泉徴収ありの特定口座を利用している場合は、確定申告は不要です。証券会社が源泉徴収を行ってくれるため、ふるさと納税の限度額を上げたい場合以外は、確定申告をする必要がありません


株式譲渡益が20万円以上ある場合は、本来なら確定申告が必要となりますが、源泉徴収ありの特定口座なら確定申告は不要で、ワンストップ特例制度を利用できます。


ただし、所得が増えたことを証明してふるさと納税の控除上限額を上げたい場合は、確定申告を行う必要があります。


<h3>新NISA口座:確定申告は不要で限度額への影響もなし</h3>

新NISA口座を利用して取引をしている場合は、確定申告を行う必要はなく、ふるさと納税の控除上限額にも影響しません。


新NISAは少額融資を行うための非課税制度のため、利益を得ても税金を支払う必要がありません。


新NISA口座を利用している給与所得者の人は、医療費控除などを受ける必要がなければ、ワンストップ特例制度を利用できます。


<h2>ふるさと納税の控除上限額を上げるために確定申告をする際の注意点</h2>

ふるさと納税の控除上限額を上げるためには、確定申告を行い所得が増えたことを証明する必要があります。


ただし、確定申告を行って所得の増加を証明すると、保険料が上がったり扶養から外れたりする可能性があるため注意が必要です。


ここでは、確定申告を行う場合の注意点を解説します。


<h3>国民健康保険料が高くなりやすい</h3> 

株式譲渡益を確定申告すると、国民健康保険料が高くなる可能性があります。個人事業主や専業投資家などは、国民健康保険に加入しているケースが多いです。


国民健康保険料は前年の総合所得額によって決まるため、株式譲渡益で所得が増えたことを証明すると、保険料が上がる可能性があります。


例えば、前年の所得が300万円の人が株式譲渡益を50万円得た場合、総合所得額は350万円となり、国民健康保険料は3,500円から5,000円程度の増加が見込まれます。


<h3>扶養から外れる可能性がある</h3>

家族の扶養に入っている人の場合、確定申告を行うと扶養から外れてしまう可能性があります。


株式譲渡益は基礎控除の48万円しか適用できないため、これ以上に利益を得ている場合は扶養から外れてしまうのです。


基礎控除を超えた部分は課税対象となり、扶養から外れた場合は、自分で国民健康保険料や国民年金を納めなければならなくなります。


現在、家族の扶養に入っているという人は、確定申告を行う場合に注意が必要です。


<h3>現在受けている支援や控除を受けられなくなる可能性がある</h3>

確定申告を行うと、現在受けている支援や控除を受けられなくなる可能性もあります。


国の支援や控除などの制度は、所得額によって対象者が決められているケースが多く、所得が増えると対象から外れてしまう可能性があるからです。


例えば、児童手当制度は、児童1人を育てている人の所得の上限は896万円とされています。この場合、現在の所得が890万円で、株式譲渡益の10万円を確定申告すると、総所得額が900万円になってしまうため、制度の対象から外れてしまいます。


現在、支援や控除を受けている場合は、確定申告を行うことで利用できなくなる制度はないか、事前に確認することが重要です。


<h2>株式譲渡益があるとふるさと納税の控除上限額が高くなる可能性あり</h2>

株式譲渡益がある場合、確定申告を行うことで所得が増えたことを証明でき、ふるさと納税の控除上限額が高くなる可能性があります。


しかし、株式譲渡益の金額や所有している口座によっては、確定申告を行うことで国民健康保険料や扶養に影響が出る可能性があるため注意が必要です。


株式譲渡益を得ている場合は、確定申告を行うことでメリットを得られるのか、よく確認した上で手続きを行うようにしてください。